vol.12掲載日:2026年7月17日

まだ見ぬ台湾に出会う旅、台中市を歩く<後編>

ここ台中市は日本統治時代に、市区改正という都市計画のもとに街が作られた過去を持ちます。
現在の台中の都市基盤はまさにこの時代からのもの。
今でも街の中にはその当時に整備された区画が生かされ、当時に建てられた歴史的価値を持つ建造物も建ち並び現在も大切に扱われています。
台中のコラム後編では、この街に残る歴史的価値のある建造物とともに日本統治時代の面影を巡っていきたいと思います。

1旧台中駅舎
~駅舎としての旅を終えた「旧台中駅舎」、新しい文化の出発駅へと生まれ変わる~

台湾新幹線(高鐵)の台中駅から、隣接する台鉄の駅・新烏日駅まで徒歩で移動。
そこから在来線に乗り換えて乗車時間約10分。
目指すは台湾鉄道(台鉄)の台中駅。
市内観光を行う上では全ての起点となる場所です。
現在利用されている台鉄の台中駅はとても近代的な新駅舎ですが、その隣には長年の役割を終え堂々と佇むレトロ感漂う古い駅舎があります。
日本統治時代の1917年に建設された旧台中駅舎です。
1995年にはその歴史的価値から国定旧跡に認定され今もなお大切に保存されている台湾の文化財です。
この駅舎を語る上で欠かせないのが、「辰野式」という設計様式。
東京駅・丸の内口の設計を手掛けた辰野金吾氏による赤いレンガに白い花崗岩を帯状にした建築スタイルがこの旧駅舎にも採用されています。
まさに外観は、東京駅・丸の内口を彷彿とさせる気品ある佇まいです。

▲左:辰野式を採用した外観/右:車両を改装したカフェ

▲旧ホームで開催されるマルシェ

2016年に隣に新駅舎が開業したことにより旧駅舎は駅としての役目を終えましたが、現在は「台中駅鉄道文化園区」という新たな観光スポットとしての役目を持ち、多くの観光客からの注目を集めています。
当時のまま保存された旧駅舎やホームの一部には今も趣のある雰囲気が漂っており、古い列車を活用したユニークなカフェもオープンしています。
さらには旧ホームは新しい駅舎へと続く歩道としても整備され、2020年6月には商業施設「鉄鹿大街」も誕生しました。
ここでは昔の改札などの歴史ある駅の施設を見ることができる他、時代の変遷を感じながらショッピングやカフェ・食事なども楽しむことができます。

▲旧台中駅舎

▲2016年に開業した新台中駅舎

住所
台湾台中市中区台湾大道一段1号
電話
+886 04 3505 9988
営業時間
Open 11:00- Close 21:00(月~金)
Open 10:30- Close 21:30(土~日)
定休日
年中無休
入場料
無料

2宮原眼科
~初めての台中訪問には外せない大定番中の大定番スポット~

こちらは台中を代表する有名なお菓子メーカーの「日出」によるお菓子のお店です。
なぜ「宮原眼科」という名前で有名なのでしょうか?
もともとは、鹿児島出身の日本人眼科医・医学博士である宮原武熊氏によって1927年に開院された眼科医院でした。
その後、この建物は台中衛生院を経て現在は日出が所有者となりお菓子のお店として営業しています。
建物の屋根部分には「宮原眼科」の看板も残されていることから宮原眼科として広く知られています。

▲写真映えする店内

▲空間を壊さないよう配慮されたドア

店内に入ると、作りこまれた装飾がとても写真映えすることから、一躍台中の観光スポットとなり連日多くの観光客で賑わっています。
まるで某魔法をテーマにした映画の世界観にそっくりです。
しかもスタッフの方が出入りする専用のドアも本棚を模しているため、一見ドアとはわかりにくいデザインになっています。
因みに店内の写真撮影は可能ですがフラッシュの使用は禁止との事。
台湾のお土産として定番のパイナップルケーキや有名な焼き菓子など種類も豊富で、二階には食事もできるレストランも併設されています。
大定番中の大定番ですが、台中が初めての方はスマホ片手にぜひ立ち寄ってみてください。

住所
台湾台中市中区中山路20号
電話
+886 04 2227 1927
営業時間
Open 10:00- Close 21:00
定休日
年中無休

3台中文学館
~台中市内の住宅街に佇む日本家屋群、日本統治時代に警察官が暮らした宿舎を訪ねる~

台中駅から北西に約1.5㎞。
徒歩で約15分。
台中市内の閑静な住宅街に佇む日本家屋があります。
この家屋群が誕生したのは日本統治時代の1932年。
元々は警察官の宿舎として建てられたものでした。

時代の変遷とともに役割を変え、2009年には政府文化局によって歴史建築に登録。
その後、約2890㎡(約1860坪)という広大な敷地内にある六棟へ修復が施され、2016年8月に現在の台中文学館としてオープンしました。
館内は「文学発展の軌跡」を学ぶためにテーマごとに多彩な展示が行われており、台中の文学がどのように発展を遂げていったのかを深く知ることができます。

長い年月を見守る見守るガジュマルの樹

そして、この場所を訪れた際に見ていただきたいのが、施設のシンボルと言ってもいいかもしれませんが立派な「ガジュマルの樹」です。
この場所で長い年月を見守ってきたであろうその姿は一見の価値ありです。
台中の住宅街に古い日本家屋が静かに並んでいる光景。
どこか懐かしくもあり不思議な旅の一コマでした。

住所
台湾台中市西区楽群街38号
電話
+886 04 2224 0875
営業時間
Open 10:00- Close 17:00
定休日
月曜日
入場料
無料

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4宝覚寺
~台中市にあるパワースポット、日本人の御霊が眠るお寺~

台鉄の台中駅からバスに乗り約15分。
「宝覚寺」バス停で下車。
この日は台中市にあるパワースポットを訪れてみました。
日本統治時代の1927年に建立された北屯区健行路にある臨済宗妙心寺派のお寺。
敷地も広く、本堂も補強されており大変立派なお寺です。

▲左:撫でるとご利益があると言われている「弥勒大仏」/右:本堂に祀られている仏様

本堂の右手に進んでいくと、高さ約30mの笑顔でほほ笑む布袋様「弥勒大仏」が鎮座しています。
ガイドブックやインターネットで紹介されるのを見ると黄金に輝く布袋様ですが、私が訪れたときは何故か布袋様の色は黄金色ではなく白色でした。
残念でしたが、後から調べると最近色が変わってしまったとの事。
本堂と、布袋様の間の道には、小さい白い 「弥勒大仏 」 がいらっしゃいます。
こちらの「弥勒大仏 」の耳を触ると幸福になる、おへそに触れると「へそくり」が増えるなどと言い伝えられています。
そのせいかお顔まわりやお腹まわりはつるつるになっていました。

▲台湾で亡くなられた日本人の慰霊碑と共同墓地

また宝覚寺で特記すべき事は、境内に「日本人遺骨安置所」や「日本人墓地」があるということです。
ここには日本統治時代にこの台湾の地でお亡くなりになった、約14,000人の日本人のご遺骨が集められ御霊が祀られています。
現在も大切に供養されており、定期的に慰霊祭も行われ日本からの参列者も多数ご参加されています。
台中のパワースポットでもあり日本ととても縁が深いこの宝覚寺、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

住所
台湾台中市北区健行路140号
電話
+886 4 2233 5179
営業時間
Open 09:00- Close 17:00
定休日
年中無休
入場料
無料

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コラム “人に話したくなる旅” 編集部

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