vol.07掲載日:2026年5月14日

アジアの人気観光都市・台北市を歩く<前編>

今回私が歩いた街は台湾の首都・台北市です。
Googleマップからこの台北市を眺めるとその独特なロケーションにふと目が留まりました。

2025年2月時点で、台北市の人口は約250万人。
日本でいえば名古屋市(約234万人)に匹敵する規模ですが、実はよく見ると周囲を「新北市」という別の巨大な街に360℃囲まれているのです。
まさに「ドーナツの穴」が台北市で、「ドーナツの生地」が人口約400万人の新北市という世界でも珍しい位置関係にあります。
この台北市と新北市に、さらに隣接する人口約36万人の港町「基隆市」を加えた三市を「台北都市圏」と称しています。
この独特のロケーションである「台北都市圏」に台湾全土の約3割の人口にあたる約700万人が暮らしています。

実際に台北の街を歩いていると、不思議と落ち着く風景に出会うことができます。
超高層ビルがひしめきあう台北の街ですが、ふと路地裏に入ればそこには時間が止まったような懐かしい下町の風景が広がっていました。

日本統治時代から大切に保存されてきた趣のある日本家屋や、中華街を連想させる古い赤煉瓦の街並みが、異国情緒のなかにいながらどこか懐かしさを感じさせてくれます。
台湾の街歩きの醍醐味はまさにその「振り幅」の大きさでした。
活気ある台北の街の喧騒を抜け、地下鉄一本で緑豊かな自然にも出会える。
近代的な都市の利便性と、歴史が息づく路地裏、そして豊かな自然がシームレスに繋がっていました。
そんな台北の街を歩いて、肌で感じた魅力を余すことなく綴って参ります。

1懐かしさを感じる街並みとの出会い、そして時代と共に移り変わる台北の中心地を歩く

アジアの人気観光都市ランキングで常に上位にランクインしている台北。
その人気の理由は多岐に渡りますが、リピーターも多いこの街には思わず納得させられる3つの魅力があります。

まず真っ先に挙げられるのが、日本と台湾との物理的な距離の近さです。
日本から飛行機でわずか3時間半。この距離であれば、金曜日の仕事帰りに空港に向かいそのまま出発できる「週末トラベラー」として無理なく海外旅行が楽しめます。
思い立ったらすぐ行ける一番身近な海外旅行先なのです。

次に台北といえば絶対外せないのが「食」の楽しみです。「美食の街」として知られる台北の料理は全般的に日本人の口に合うものが多い印象です。
市内の洗練されたレストランはもちろん、路地裏のローカル食堂、活気あふれる夜市での屋台グルメや台湾スイーツなど、朝から晩まで訪れる観光客の舌を飽きさせることがありません。

そして、多くの日本人旅行者が一様に口を揃えるのが、台湾特有の「居心地の良さ」です。
そもそも台湾には様々な日系企業が進出しています。街を歩けば、日系のデパートやコンビニも数多くあります。そして日本でお馴染みの飲食チェーンの看板も次々と目に飛び込んできます。
車両の右側通行や道路標識などの違いはあっても、まるで日本にいるかのような安心感に包まれます。

そして台湾の治安の良さや、鉄道、MRT(地下鉄)の充実ぶりも東京さながらの安心感といえるでしょう。
それらは初めて台北を訪れる観光客にも安心して街歩きや観光が楽しめる台北の魅力であり居心地の良さに繋がっています。
さらにこの「居心地の良さ」を感じる理由について特筆すべき点もあります。
それは何と言っても滞在中に台湾の人々の親切な振る舞いに接することができるという点ではないでしょうか。
日本と台湾がともに歩んできた歴史的背景も影響しているのかもしれませんが、私たちが困ったときには手を差し伸べてくれるそんな優しさも感じました。

路地裏を散策すれば、日本統治時代の面影を残す日本家屋に出会うことがあります。
まさに日本統治時代にタイムスリップしたかのような感覚でした。
経済的な結びつきだけではなく歴史と心でつながる台北。
このようなたくさんの魅力が台北の人気を支えているのかもしれません。

~懐かしさを感じる街並みと時代と共に移りゆく中心地~

台北の街を歩いていると、ふと気が付くことがあります。
それは、訪れる地区によってこの街が見せる顔が驚くほど異なるという点です。
昔ながらの街並みや貴重な景観を継承している地区と、都市開発によって息吹が宿った地区、そして緑豊かな大自然が残る地区などがあります。
例えば龍山寺が佇む萬華地区や布問屋や乾物屋が集う迪化街。
そこには私たちにどこか懐かしさを感じさせる「下町」の香りが充満しており、今もこの街は大切に守られています。
城東地区にある昔の和風宿舎を用いた施設「台湾文学基地」に足を踏み入れれば、日本との深い縁に感謝や親しみを覚え「どうかいつまでもこのままの姿で」と願わずにはいられません。
それは、そこに行けば必ず懐かしさに触れられるという安心感があるからなのでしょう。
しかし、ふと迪化街のメインストリートから視線を空に向けると、そのすぐ裏手には近代的なビルがそびえ立っています。
止まっている時間と加速する時間。
この時代のコントラストこそが今の台北を象徴している景色なのかもしれません。

▲左:台北マリオットホテル、右:MRT内湖線「剣南路駅前」の観覧車

台北の街の中心もまた、時代の流れとともにその役割を変えながら移動してきました。
かつては交通の要衝である台北駅周辺が唯一無二の中心地でした。
鉄道の起点となる場所であり、全てが台北駅周辺に集まっていました。
しかし、2004年に誕生した地上101階・地下5階・高さ509mの「台北101」を筆頭に、台北市の南側にある信義区はハイブランドやトレンドの発信と商業や金融が交差する「新しい中心」へと変貌を遂げました。

そして今、さらなる熱い視線を浴びているのが、松山空港の北側に位置する中山区の一部と内湖区の一部を指す通称「内湖エリア」です。
この場所は、台湾のハイテク産業やメディア系の企業が集結している、いわば台湾の知性を担う「未来の中心」です。今回街歩きをした、MRT剣南路駅前には観覧車や商業施設が建ち、その先には外資系の「台北マリオットホテル」もあります。
周辺には最新のレジデンスも立ち並び、街全体がきれいに整備されており新しいエネルギーに満ちた空間でした。将来的には、MRTの環状線も乗り入れる予定との事で、今後もさらに複合施設やホテルの建設が進む予定。
この周辺が次のランドマークとなっていくのかもしれません。

台北の街を歩きながら、懐かしさを感じる街並みや、移り変わる台北の「中心」などを見てまわる。
そして人々の優しさにも触れ。
そんな欲張りな街歩きができるのも台北の魅力の一つです。

219世紀中頃から今に続く台北最古の問屋街「迪化街」を歩く

台北の歴史そのものである「迪化街」は、台湾で最も古い問屋街でありその起源は19世紀中頃と言われています。私も訪れてみました。
MRT北門駅3番出口より「塔城街」という大きな通りを歩くこと約12分。すでに通りには布問屋が点在しています。
しばらくするとその迪化街の入り口を示す「迪化街商圏」と書かれた赤い看板が目の前に現れました。
そこから迪化街に一歩足を踏み入れると、あたり一帯にはひと昔前にタイムスリップしたかのようなレトロな雰囲気が漂っています。頭上には色彩豊かなたくさんの提灯がお出迎えしてくれます。
この街はただただ歩くだけでもおすすめです。迪化街のメイン通りには両側に乾物屋さん、ドライフルーツのお店、漢方のお店、布などの問屋さんが所狭しとひしめき合っており時間をかけながらゆっくりと見て回ることができます。
ほんの少しですが台湾の食文化も垣間見れた気がしました。

▲迪化街にある郵局(郵便局)とポスト

そして迪化街にある郵局(郵便局)でみかけた日本のポスト。姉妹郵便局の締結記念として熊本の郵便局から贈られたものでした。
実際に使われているポストではありませんが、ここでも日本と台湾の交流がみられました。

またこの街の特におすすめの場所は、多種多様な布問屋が集まる「永楽市場」。迪化街に入ってすぐにあるビルでこの中に入るお店のほとんどが布問屋さんです。
地元産の布や輸入物らしき布が通路をはみ出し大量に陳列されています。手芸好きの方にはたまらないスポットかもしれません。

歴史を肌で感じながら街を隅々まで散策し、モダンなカフェでの休憩や現地のグルメなども楽しめるのが「迪化街」の魅力です。
さらに縁結びスポットとして有名な「台北霞海城隍廟」もあるほか、少々足を延ばせば航海・漁業の守護神である「大稲埕慈聖宮」もありパワースポット巡りとしても充実したエリアとなります。
台北の歴史が詰まったこの街で、ご自身のお気に入りを見つけてください。

編集部がおすすめする「迪化街」のみどころスポット

永楽市場 ~100軒以上もの布問屋が集う布市場~
台湾最大の布市場。輸入物も含め多種多様な布地が揃います。
布地以外にも手芸材料も揃えられており手芸好きな方にはぜひおすすめのスポットです。
建物自体は4階建てで、そのフロアのほとんどが布地の問屋さんで埋め尽くされています。

住所
台湾台北市大同区迪化街一段21号2F
営業時間
Open 10:00 - Close 18:00
最寄り駅
MRT「北門駅」3番出口より徒歩12分

台北霞海城隍廟 ~縁結びスポットといえばこちら~
縁結びや恋愛成就の神様として有名な「月下老人」が祀られている廟。
パワースポットとして多くの観光客で賑わっています。

住所
台湾台北市大同区迪化街一段61号
営業時間
Open 07:00 - Close 19:00
最寄り駅
MRT「北門駅」3番出口より徒歩15分

3台北のランドマーク「台北101」に昇る

▲89階の展望台からは台北市内が一望できる

台北市の街並みが一望できる「台北101」。旅の記念に一度は昇ってみてはいかがでしょう。
MRT「台北101世貿駅」から直結となっていますので、迷わずにアクセスできます。
5階からメインデッキの89階展望台までは専用のエレベーターでわずか37秒で到達します。
気圧変化で耳が詰まりますが、あっという間でした。
展望台から見る台北の景色は都会と自然が調和した素晴らしい景色で台北の街には緑がとても多いことに驚かされました。

▲左:ハイブランドの店が集う台北101、右:永康街にある「鼎泰豐・本店」

階下の1階~6階にはハイブランドのお店とジュエリーショップなどが集まっており店舗数は台湾一をほこります。
また、地下1階には日本でもお馴染みの小籠包の名店「鼎泰豐・台北101店」もあります。
東門駅・永康街にある「鼎泰豐・本店」はテイクアウト専門店となってしまった為、落ち着いて食事をしたい場合はこちらを利用するのもおすすめです。
ただし、事前の予約は不可ですので早い時間に訪れるか、待ち時間を覚悟して訪れましょう。

住所
台湾台北市信義区信義路五段7号89
電話
+886 2 8101 8800
営業時間
Open 10:00 - Close 21:00(最終入場 20時15分)
定休日
年中無休
入場料
TWD600(メインデッキ89階展望台)
最寄り駅
MRT 「台北101世貿駅」4番出口より徒歩3分

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コラム “人に話したくなる旅” 編集部

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